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特に定まった目的もなくふらふらとしていたが、少し前に挑戦して挫折したフェニックス紋章をもう一度狙ってみようと思い立った。まあ、セビリアで雇った小娘が奇襲を覚えたので試してみたくなったわけだな。

適当にすれ違う船から路銀を頂戴しながらアラビア海に。モガディシオに寄航して一泊、英気を養った後紅海を目指して出航。3時方向よりフランス籍の大型商船が南下しているのが目に入った。

行き掛けの駄賃という奴か。さっと反転、後方より追尾開始。距離が詰まったところで交戦を仕掛けた。
『金だしな!』
『おたすけ~;;』
『焼きたてケバブならいくらでも;;ナポリで料理屋しておるものです、命ばかりは~;;』
おう、泣きが入っている。速攻で上納品が来るかと思っていたがこれは意外に面白い手ごたえだ・・・どれ、乗せられてみるか。
『ほう・・・ではまず止まれ、停船せねば攻撃する』

『(両手あげる!)』
料理人はすぐさまこちらに船尾を向けて帆を降ろし、抵抗の意志がないことを示してみせた。・・む、なかなか芸が細かいな。どうやら交渉できそうだ。

『良し素直だな・・・料理屋か』
『でございます~、ナポリ5番でちいさな料理店しております。お金はあまりありませんぞ~;;』
泣きまくりである。ふと少し意地悪をしてみようと思いつく。もっと困らせて泣かせてみたい。

『この辺りで食えるものは辛いものばかりだ』
『おお!でしょうでしょう!イングランドのかたにはつらいでしょう!』
『甘いデザートが恋しいな、気の効いたものがあるならそれで見逃してやるぜ』
さて、どう出る?・・・しばらく間がある。倉庫をごそごそしている模様。

『ございますとも~!』
何っ、あるのかよ!
『ナポリ名物パネトーネがございます!』
『む、あの甘いパンか』
むう、やるじゃないか・・・。しかしもう一押し欲しい所だな。しばらく考え込む振りをする。空気を察したか、料理人が勝負に出た。

『海賊さまには疲労もたまりましょう、これを一気に解決!いまなら甘いジュースもおつけしますよ!炭酸ですよ!』
び、ビンゴボンゴだっ!?

『むう、いいじゃないか・・・なかなか商売が上手いな』
正直いって舌を巻いた。この料理人が土壇場で見せたパフォーマンス、これに応えないでは英国最高のオレンジが名乗れるか!紳士は風流を解さねばならぬのだ。

『よし、それで手を打とう』
『おお!これはこれは・・・』
『では金はいらぬ、その腕前で作った料理を安全の対価としよう』
『ありがとうございます~!』
いやはや、実に見事。ここまで鮮やかに切り返された上で拿捕なんて無粋は出来ん。この交渉勝負、料理人の一本勝ちであった。

戦闘領域を出、料理人から差し出される料理を受け取る。約束どおりのパネトーネ200食、デザートにフルーツ盛り合わせが50食。蜂蜜が贅沢にかかった代物だ、注文どおりのブツである。そしてトドメにビンゴボンゴ。

『おう、豪勢だな』
ついパネトーネに手が伸びた。
『む、いける』
『お^^』
『確かに受け取った』

実に味のある『収穫』である。その場を去ろうとしたところに料理人から声が掛かった。
『またナポリにお立ち寄りの際にはぜひ5番をお尋ね下さい。腕によりをかけた料理をご馳走しますぞ!』

『何れの機会に寄らせていただこう、あばよ!』
こいつはヨーロッパに戻る楽しみが出来た。フェニックス紋章を手に入れたら是非立ち寄るとしよう。

『こわかったよおお!;;』

いやはや、実に味わい深い獲物であった。彼女の手によって生み出される料理は如何なる美味であろうか。楽しみなことだ。

■料理人殿の性別を間違えていた不具合を修正しました。いろんな突込みがきそうが気がするが頼むから勘弁;
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