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和田慎二先生のご逝去に謹んで哀悼の意を表します。
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俺は今の大海戦が好きではない。

ここ1年くらいの海戦は報奨ロットを貰うためにNPCを1艦隊撃破したら海域を去る、もしくは完全無視して参加しないという方針だった。あまりにもカジュアル化してしまったと思っているからだ。模擬戦の延長であり、『戦争』であるはずの厳しさが失われている。挑発は暴言。妨害はマナー違反。戦術として考えられるあらゆる策略の類がおよそ卑怯な行為とされる風潮。

要するに、俺のような老兵の居場所はもうないと思っていたのである。
7月1~3日に行われたダブリンを巡る大海戦も、実は不参加の予定であった。2週間あまり陸戦能力の再強化と冒険レベル上げに費やしており、12日のアップデートまでにある程度の成果を上げて置きたかったのでそちらを優先するつもりであったのだ。事実、ダブリン海戦が確定した直後に2つほどオファーがあったがいずれも返事をしなかった。

参戦を決意したのは28日。Z-ENG wikiの要塞戦考察記事を読んでからである。

知人に紹介され、読んでみて思ったのは実に完成度の高い知識ソースであるということだ。
読み進めるにあたり、軽妙な文体もありストレス無くどんどん進める。高い知性を感じさせる考察に感心しながら先を読み進めていたのだが・・・中途から様子が変わってきた。総括すれば上7割は最上質のコンソメスープ、下3割は・・・チリソースであった。

要塞防衛に関する考察文。防衛艦隊が非現実的、かつ非実用的であるという結論、事後読み直してみても納得がいく内容だ。今回ダブリン防衛艦隊が取った戦術は、ああする以外の防衛手段を考案出来なかった俺の未熟が生み出した、いわば戦場の奇形児である。もっと早くに今の要塞戦における仕様の知識を仕入れておけばもっと敵への勝利ポイント献上が少ない方法を考案出来たかも知れない、という後悔があるのは事実だ。

誤解のないように言おう。今回取った戦術に対する反省は『敵への勝利ポイント献上をより減らすための工夫が不足していた』ことであり、『戦功が入らない4度目以上の交戦を敵に強要した』ことではない。戦功がたくさん欲しいなら3回戦った後に敵艦隊が他に行けば良いのである。俺達はダブリン前を動けないのだから。要塞を落とすためにやってきたのであれば何故黙って見過ごす必要があるのか。要塞前に滞在しながら、艦砲射撃を妨害しないのであればそもそも防衛という概念が成り立たないのである。

wikiの要塞戦考察記事の執筆者は個人的な友人であり、事後日記を書く前に俺自身が納得するために対話をさせて頂いた。俺が参加を決めたきっかけの2行、

『戦功なんて無視して戦って時間稼ぎすれば良い? 我々は紳士ですから、そのようなご提案はお断りします。』
『戦功を与えないようにした低レベル少人数の艦隊でゾンビアタック? 紳士ですからお断りします。』

この文章の真意である。やればはっきり有効である、としながらもそれをするのは紳士的ではない、と読める。
3時間ほぼ無為に浮かぶだけになるかもしれない防衛艦隊、その取りうる戦術の不毛さ。いずれも呑んだ上で実行するのであれば実行する側の勝手である。洋上戦闘至上主義の模擬軍人的な騎士道を何故推奨するのか。俺はここに反発を覚え、今回の参加を決めたからである。

『…ところで、要塞への砲撃が不毛な方法でしか阻止できないってどうすればいいんですかコレ。』
海戦が終わり、反省と知識の補強をするべく考察記事を読み返してこの文章にひっかかりを覚えたのだ。

結論としては、俺が行間を読み取る力に欠けていた故の誤解であると納得した。
要するに仕様としてこの手法は有効なので、現行の大海戦に置ける暗黙ルールに抵触してでも実行するものがいるかもしれない。それが敵であれ味方であれ、そういう覚悟をし、対処せよという警鐘であった。

・・・26日に海戦対策会議が行われたそうだ。このとき会議参加者がこの考察文の上7割にざっと目を通していれば、きっと大変実りある会議になったのではないか。ほぼ予備知識のない状態から会議が行われたらしいと聞いて、惜しいと思ったものである。ここら辺が大海戦なんかで緻密な作戦が立てにくい理由でもあるが。プレイヤーの海戦に対する意気込みというか、温度差があるのでなかなか高度なことをやるのは難しい。

大商会で艦隊をいくつも繰り出せるようなところとか、遊撃艦隊の提督をやる人なんかは知っておくと立ち回りが一層冴えると思われる内容なので一読を勧めたい。



戦闘の様相については、今のところ書かないでおこうか迷っている。
やっていたことは地味なのでそう面白くもないし、日記のコメントにあれこれ書いてくる人がいるくらいには反感を周囲から買う戦術であったので自粛しようかなと思っているのだ。

要望が多ければ書くかも知れない。そんな心持ち。